高蛋白食の意外な真実

高蛋白食の意外な真実


人類の進化過程には狩猟採集の時代がありました。 
この頃から、人類の消化器官は殆ど進化していません。 

では、本来的なたんぱく食に要求されるものは何だと思いますか? これが実は意外に思うかもしれませんが「たんぱく質を消化、吸収するエネルギー」なのです。 

もともと野生の動物には体脂肪の蓄積がほとんどありません。脂が無く、パサパサの肉は不味くて食べ難いですね。その反対に脂の乗った肉は、古くからグルメとされ、脂の乗り具合が高ければ等級も高く、価格も極端に高くなっていきます。

では、脂の乗った肉が高価なのは、美味しいというだけの問題なのでしょうか?

これがそうでは無いのです。経験豊富な狩猟民族は、特に食糧が乏しくなってくると、例え獲物をしとめても、皮下脂肪に乏しい獲物は見ただけで口にせず、そのまま置き去りにして別の獲物をしとめるべく移動します。 狩猟民族の知恵によると、脂の乗った肉は珍重されているどころか、死活問題なのです。

 日頃からチキンの皮を捨て、肉の脂身をそぎ落として食べている皆さんには意外に映るかもしれません。しかし、食糧難などで肉が主食になった場合、脂肪分の低い肉ばかり食べていると、エネルギーが奪われて逆に餓死してしまうのです。 

普通の栄養学では「たんぱく質は1グラム約4カロリー」的なことが記述されていますが、これに則ってサバイバルを試みると大変なことになります。こういった点も、食材属性としての「カロリー」が、ヒューマン・メタボリズムにおいて不適切な指標であることを表しています。 

「100グラムの肉を体外で燃やしたときに発生するエネルギー」が400カロリーであったとしても、100グラムの肉を食物として摂取した際、身体のエネルギー収支がプラス400カロリーになるわけではありません。状況によってはマイナスになり得るということです。

もちろん、飽食の現代生活ではエネルギー不足で危険となる状況が少ないものの、減量中のスポーツ選手は要注意です。ノーカーボ、ノーファット、ハイ・プロテイン、ハード・トレーニング・・・ではたまに死者が出ても不思議ではありません。 

まず、糖質が「主食」であると過去に言い放ってしまったがため、催眠状態に陥っている日本において、血糖値を安定させながら減量するには、日頃から脂肪のエネルギーを利用できるよう、体質を慣らしていく必要があります。

「ご飯」を毎日欲しいと感じる、「一番美味しい」と感じるのは習慣です。「ご飯」がダメと言っているのでは決してありません。日本人は「ご飯」が無い国に行っても普通に幸せに暮らしていけるということを言っているまでです。

食事で摂る脂肪=体脂肪などという安直な考えは捨てましょう。食材の「カロリー」そのものよりも、その食材が身体(ホルモンバランス)に与える影響の方がはるかに大きいのです。

特に女性の方は、ちょっとしたホルモンの変化があらゆる「巷の栄養理論」を超越して、精神的・肉体的に貴方の身体の状態を疾風怒濤の如く、毎月翻弄することに気が付いているはずです。


 



 

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